「サーバー/クライアントTシャツ」は、情報通信の基本構造である「サーバー」と「クライアント」という概念を並置したプロダクトである。サーバーはリクエストを受け取りつつレスポンスを返す存在であり、クライアントはレスポンスを受け取りつつリクエストを送る存在である。この二つの役割は絶対的なものではなく、いつでも入れ替わることができる相対的な位置にすぎない。
このTシャツは、私たちが誰かにとっては生産者であり、また別の誰かにとっては消費者であるという現実を思い出させる。ロッテリアの「サーバー」の前でペプシではなくコカ・コーラを求めて声を荒らげる「クライアント」も、別の場所では親切な「サーバー」になるかもしれない。「サーバー/クライアントTシャツ」は、何を着ているかではなく、誰が誰に対して何を求め、どう応答するかを問いかける。